2012年5月8日火曜日

将棋の各種タイトル戦(本戦)ではほぼ例外なく棋士は和服で勝負しますが、囲碁で...

将棋の各種タイトル戦(本戦)ではほぼ例外なく棋士は和服で勝負しますが、囲碁では大半の棋士がスーツで勝負します。これは何故でしょう?







別に、昨今の国際化によってスーツになったわけではありません。



タイトル戦において、和服対局の固定観念を破ったのは、昭和40年に、当時23歳の林海峰が坂田栄男名人に挑戦したときくらいからです。

台湾出身の林海峰は、日本の慣習に捉われること無く、普段と同じリラックスできる状況で対局するようにスーツ姿で登場し、坂田を破り名人になりました。

林海峰の登場以降は、タイトル戦に登場する棋士はだんだんと若返り、林海峰のあとに石田芳夫の時代が来て、大竹英雄、加藤正夫、武宮正樹、趙治勲、小林光一と、和服よりは機能性実用性重視で対局に臨めるように誰もがスーツというのが、ごく自然なだけのこと。

まあ、台湾出身である林海峰が替えるキッカケを作ったのですから、国際化の走りではありますが。



スーツが全盛となってからは、大竹、武宮は、「タイトル戦はやはり和服」と回帰しました。

最近では、ほとんど和服を見かけなくなっているようですが、依田紀基は、一般対局でも和服を着たりします。NHK杯などTVでも和服で対局していますね。

けっして、スーツが標準などと規定はされていません。








それは囲碁が国際化しているからでしょう。プロ棋士でも日本以外の出身地の人が多く、畳の上で暮らしたことが無い人も増えている。だから囲碁は椅子席が標準のようになっています。椅子に和服ではいかにも合わないでしょう。将棋の場合は、アマの大会や将棋センターでは椅子席が標準ですが、プロ棋界では一般棋戦も含めすべて座布団と脇息だけです。だから将棋では和服がぴったり合うわけです。こういう違いから囲碁ではスーツが標準になっているのでしょう。

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