2012年5月8日火曜日

囲碁で将棋における名人・竜王のような、タイトルの中でも権威のあるタイトルは何...

囲碁で将棋における名人・竜王のような、タイトルの中でも権威のあるタイトルは何ですか?







賞金面での序列ならば、棋聖・名人・本因坊・十段・天元・碁聖・王座、と続くのだし、スポーツの世界などでも、最も権威のある大会は最も賞金も高いという実態を思えば、碁でもそういうことで良いのかもしれません。



が、タイトル成立の経緯を考えれば、別の見方の権威もあるように思います。



本因坊は、一番歴史のあるタイトルですが、本当は、毎日新聞は碁、将棋とも名人戦を作るつもりで、将棋の関根名人と、碁の本因坊秀哉に打診して、将棋は快諾されたものの、碁では秀哉の本因坊家へのこだわりから、「本因坊名跡争奪・全日本棋士選手権」とされ、名人は不可侵の領域=争って得るものではなく、第一人者から自然と生まれるものだとされたのです。



名人という地位は、当然本因坊という一名跡よりも格上だとみなされており、名人戦を創設するときには(日本棋院の財政上の都合もありましたが)、棋界最高の地位にふさわしい賞金・対局料となるような契約がなされました。



しかし、その後名人戦契約料は、昭和36年が46年までの高度経済成長時代にあって、10年間に1円の増額もありませんでした。

それを不満として、名人戦の開催権は、高額の契約金をもって読売から朝日に移設されたのですが、朝日に負けたくない読売は、名人戦の上の棋戦として、最高契約金・最高賞金のタイトル戦をつくります。

名人より上ならば、碁の神様だ。と、棋聖戦をつくります。江戸時代から400年、棋聖と称されたのは、道策と丈和、また後世に丈和にとって代わった秀策の、2名ないし3名しかいない、最高の地位だ、と、ある意味こじつけてみたのでした。





なので、

タイトル戦の歴史と伝統としての権威なら、本因坊。



囲碁史上、地位的な権威のあることなら、名人。



現代の賞金序列的な権威主義に従うなら、棋聖。








最高位



将棋

タイトル戦→竜王戦

タイトル保持者→竜王 名人(同格)





タイトル戦→棋聖戦

タイトル保持者→棋聖







賞金の最も高い棋聖が最上の席ですが、私は「本因坊」が歴史もいちばん古く、権威あるタイトルと思います。







すべてのタイトルには各々の権威があります。私は質問者の意図について、もっとも権威のあるタイトルは何かというふうに解釈しました。日本棋院のホームページを拝見すると、棋戦の欄では棋聖戦が一番最初です。次に名人戦、本因坊戦と続きます。また棋士の序列は、山下棋聖が第1位、井山名人が第2位、羽根本因坊が第3位です。ゆえに日本棋院は事実上、棋聖をもっとも権威あるタイトルに認定しています。では棋士が最も欲しいタイトルは何か、という質問ですが、唯一の永世称号のある本因坊ではないかと推察します。その点を含めれば、25世治勲が成し遂げたように、棋聖・名人をも獲得する大三冠が全棋士の夢でしょうね。







棋聖か本因坊じゃないですかねぇ

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